心を強く持て


駅から家まで帰る途中、ハキハキと喋る女性に呼び止められた。
イヤホンをしてるし、いつもなら素通りするけど、
歩きながらでもいいから答えてほしいと言われたので
歩きながらならいいですよ。と答える。

銀座にあるブライダル会社の社員らしい。
いろんな駅でアンケートを取ってるとのこと。

唐突に「彼女いるんですか?」なんて聞かれる。
えっ?と思いつつ「いませんが・・・」と答える。
「もったいない〜〜!」と女性。


は?


「どこに向かってるんですか?」「家に向かってます」
「この街の商店街は大きいですね」「はあ、、、」

ブライダルに関するのアンケート取ってるので、それだけ回答してほしいと。
手渡されたアンケート用紙をみると
「彼女とのプロポーズはどこでしたいですか?」
「プロポーズは家族や友人も参加してもらいたいですか?」
「何歳ごろ結婚したいですか?」との項目。

これに・・・答えなきゃいけないのか・・・


「あの、ぼくゲイなんです」って言おうかとも思ったけど、別に彼女に言ったところで。今後、彼女が人に声掛けづらくなっちゃうかなと思ってやめといた。アンケートは適当に丸して返した。

「ありがとうございます!結婚する日が楽しみですね!」なんて満面の笑みで大声で言われた。
びっくりして顔をマジマジとみたら、結婚することが最大の幸せって顔してた。
あまりの声の大きさにそばを通ったおばさんが何度も振り返ってた。

「大変でしょうが・・頑張ってくださいね・・」と声かけて帰る。


晩ごはんに何を作ろうかとスーパーの店内をグルグル周ってたら悲しい気持ちがふつふつ湧いてきた。
「結婚」かー。結婚ねー。
うわー、泣きそう。

スーパーから家までの道、ちょっと泣いた。


家に帰り、好きな皿うどんを作る。
マツコの知らない世界を観ながら食べる。
どんよりした気持ちが抜けない。


ザヤに電話して一連のできごとを聞いてもらう。
心を強く持て、悲劇のヒロインになるなと励まされる。
ばーっと喋ってたら、気分は回復した。

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