きゅうりを選ぶ

 

スーパーに行ったらよくレジ打ってくれる方の横に研修生がいた。「あの人ね、いつも同じ商品買ってるんだよ。袋はいらなくて、お箸は聞くと付けるから覚えといて」とか教えてたら面白いのに。

 

そういえば、野菜コーナーできゅうりを選ぶおばさまがいた。ぼくも買いたかったから遠くから伺ってたんだけど、選ぶ顔が真剣だった。いいものは味が違うんだろうか。

家に帰ってきゅうりを麺棒で叩いて浅漬けにした。おばさまは何の料理を作ったんだろう。

 

選ぶといえば、会社で「この中から好きな味選んでください」とお土産をいただくとき、選ばせてもらう時間がちょい申し訳ない。あまり関わることがない方だとなおさら。あと、がっつり視界に入ってるのに気づかないで仕事してるフリするあれ、あの演技もなかなか恥ずかしい。実はがっつりスタンバイしてるし。紙袋開けた音がしたら、誰かがお菓子配り始めるんだろうなと気づかれない程度にあたりを見渡すし、聞こえてくる会話からどんなお菓子だろうと推測する。アクリル板の反射でおすまし顔になれてるかも確認。声をかけられたら、まずはピッと背筋を伸ばして脊髄反射を再現、待ってました感がでないようにキーボードとマウスから手を離し、腰からひねるようにイスを回転させる、目を気持ち大きく開き、唇は「ぱ」の発音の直前の形で何でしょう?感を出す。ここまでを流れるように。お菓子と対面した瞬間に全てを察した風にゆっくり目を瞑ってありがとうございますと会釈。右手をグーにして口元に当て、左手を弱めの人差し指にして、トントントンと小刻みに左から右にを二回繰り返す。選べたら「じゃあ、これいただきます。ありがとうございます!」と受け取り、再度会釈。これを8秒程度で行う。だいたいこのパターンが多い。週一ぐらいでこれやってるかも。

師匠なんかは顔が広いから雑談しながらじっくり選んでる。